Life

北米で生活するわたしと、その半径3m以内のこと。

路上で文字通り頭から冷水を浴びせられたはなし。

暖かくなってきた、とは言ってもまだ0℃には届かぬ気温、天気予報は雨だったのに、朝起きると降っていたのは雪でした。

 

それも珍しくサンダースノーストーム。
今日はESLに行く日なのに、やる気なくしちゃうなぁと思いつつ身支度を整えているうちに、気温が上がってきたのか雪は雨へと変わり、昼過ぎには傘は必要ないくらいの小降りになっていました。
 
それはうれしいのだけど、外に出てみると道路は雨と雪と雪解け水で水浸し。歩道は水路のようになっています。その中を長靴で、転けないように注意深く、バシャバシャと歩いて行きました。
 
途中、同じクラスの中国人の女の子と合流。
漢字の話とかしながらバシャバシャ歩きます。
「同じ漢字なのに発音違うっておもしろいよね」
「名前も違っちゃうしね」
「あ、でも、私ワンピース好きなんだけど、ルフィは一緒だよ!ゾロとかナミとか…」
ルフィは漢字じゃないよー、と言おうとしたら、彼女が突然立ち止まりました。
「? どしたの?」
「あ、あれ…」
彼女に指さされて進行方向を見ると、1台のトラックが飛沫をあげてこちらに向かってきているのが見えました。
ただのトラックではありません。
なんだかよく分からないけど、除雪車?タイヤがいっぱいついたやたらでかいトラックです。
 

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「えっえっどうしよう!」
奇しくもそこは一本道。車道と歩道の間には、膝ぐらいまで雪が積み上げられていて、反対側は腰まで雪の山。その向こうは私有地らしく、塀で仕切ってあります。
逃げ場などない。盾になりそうなもの、電信柱の1本すらもない。
 
逃げ惑うわたしたち。
迫り来るトラック。
 
「いやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
悲鳴も虚しく、トラックは泥と雪と氷の混ざった水をわたしたちに頭からぶっかけて行ったのでした。
 
そのでかいトラックの威力は凄まじいもので、わたしは水圧(?)に耐えられず、立っていられなくなって塀側の雪に倒れこみ、ずぶ濡れの上に雪まみれ、一緒にいた彼女も似たような状態でした。
 
驚いたのはESLの先生たち。
わたしたちの姿を見るなり「オーマイガッ!!何が起こったのっ!?」と慌ててタオルを持ってきてくれました。
「えーっと、歩道を歩いていたら向こうからでっかいトラックが来まして、で、わーーーーーっ!ってなった」
わたしは、アレを英語で何というか知りませんでした。
 

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でも、「わーーーーーっ!」で全てが通じました。
 
タオルで髪の毛やコートを拭きながら話を聞いているとアレのことは「スプラッシュ」って言っていました。あースプラッシュ、スプラッシュマウンテンの"スプラッシュ"ね、勉強になるわー、ちょっと体張りすぎてる気がするけどー。
 
ところで一緒に被害に遭ったこの女の子、実は昼前の雨にもやられていて、わたしと会ったときにはすでにダウンは色が変わってしまうほど濡れていました。「大丈夫?寒くない?」と聞いたら「内側は濡れてないから大丈夫だよ」と笑顔で言っていたのですが、この件でついに内側まで浸水、「寒い。すごい寒い」を連発していました。
「わたしたち、水難の相が出てるね」と言いたかったのですが、英語でなんて言ったらいいのか分からなくて言えなかったのが残念です。