Life

北米で生活するわたしと、その半径3m以内のこと。

「かわいい」と言うおっさん in NY

わたしが一人でNYへ行ったとき、なぜか、よくおじさまから声をかけられました。

その中には、わたしが日本人と分かるやいなや、日本語で「かわいいね」と言ってくる人がいて、正直それには戦慄が走りました。

 

念のため言っておきますが、わたしはかわいくもなれば、若くもありません。

最近撮られた自分の写真を見ては「なんかジャガイモみたいな笑顔だなー」と自己評価するくらいの顔面偏差値です。

 

ある「かわいい」と言ってきたおじさま、もといおっさんは自称画家でした。

某有名美術館へ入って、さてどこから見ようかなと館内地図を広げているところに声をかけてきて、「あなた、かわいいね!」と唐突に褒めたあと、「ぼくのアトリエへおいでよ!」と。まさか路上ではなく、美術館内で身の危険を感じるとは思いませんでした。

 

おっさんは、ちょっと日本語も話せたけど、英語で「いえ、いいです。わたしここへ来たの初めてだし、今入館したばかりだから」と答えると「じゃあどのくらいで見終わる?1時間くらい?そのあとでいいよ!」とのこと。

おっさんよ、おまえも画家なら、興味を持って初めてこの美術館を訪れた人が1時間そこらで見終われるとは思わないだろう?と思いつつ、なんとなく「どんな絵を描いてるの?」と聞いてみたら、

 

「unnnnn...some flowers, trees, birds... かわいいかわいい絵だよ!」

 

おまえ、かわいいって言えば喜ぶと思ってるだろ!!!!

気持ち悪さに引きつりながらも丁重にお断りしました。(今思えばもっとキツく断ればよかった)

 

日本語の「かわいい」という言葉は、海外の一部では浸透してきているとは聞いたことはあったのですが、実際に日本人以外の人が使っているのを聞いたのはNYが初めて。

そしてこのおっさんに限らず、「かわいい」と声をかけてくる男性はどうも「日本人の女にはかわいいって言っときゃ喜ぶだろ」という思惑が感じられました。だって、他の日本語はほとんど分からず、脈絡なく多用するんだもの。

 

旅先での出会いは楽しいものだけど、世界を旅する女性のみなさん、「かわいい」を多用する男性にはお気をつけくださいませ。